毛髪

ヘアカラーのメカニズムと毛髪か痛む理由 その②

みなさん、こんにちは!

今回も、ヘアカラーについてお話していきます。

前回の記事を読まれていない方は、まずこちらから↓
ヘアカラーのメカニズムと毛髪が痛む理由 その①

ちなみに、ヘアブリーチもヘアカラーの一つですが、

これは別で記事を書いたので、気になる方はこちらもご覧ください↓
ヘアブリーチ(脱色剤)のメカニズムと毛髪が痛む理由

1. ヘアカラーの分類

ヘアカラーの分類について説明します。

表1のようにヘアカラーは大きく分けて、

医薬部外品、化粧品とその他の3つに分けられます。

表1 ヘアカラーの分類

2. 半永久染毛料の染料について

前回の記事で永久染毛剤についてはお話ししたので、

今回は、半永久染毛料から説明させていただきます。

半永久染毛剤にはヘアマニキュアやカラートリートメント(リンス)があります。

ヘアマニキュアとカラートリートメントの一番の違いは染料です。

ヘアマニキュアには酸性染料がつかわれています。

カラートリートメントには塩基性染料が使われており、

HC染料はどちらにも使われています。

この3つの染料の共通点は脱色作用がないので、

暗い髪をとても明るくするということはできないということです。

この3種類の染料について詳しく説明していきます!

2.1 酸性染料とは

酸性染料(例:黒色401号 下記 図1)

クエン酸などでpH2~4に調整した状態で使用します。

その反応機構はまず酸性染料を溶剤を用いて

表面のキューティクルとコルテックスの浅いところまで浸透させます。

酸性条件下のとき、毛髪はプラスイオンを帯びた状態となり、

酸性染料のマイナスイオンとイオン結合し、染毛します。

酸化染料が含まれていないのでパッチテストが不要で、

パーマ施術後もすぐにヘアカラー施術をすることができます。

また図1にあるように、酸性染料は分子量が大きいので

コルテックス奥深くには入っていくことはできません。

なので、毛髪のダメージもほとんどありませんが、

色持ちは2~3週間ほどと酸化染毛剤に比べ短めです。

ところで、毛髪は新生毛と

ダメージで多孔質になってしまっている毛先では

条件が異なり、染料の浸透の仕方も変わってきます。

なので実際の酸性染料は均等に染毛されるように

よく似た色の数種類の染料が用いられており、

それらの染料は分子の大きさが異なります。

図1 黒色401号

2.2 塩基性染料(アルカリ性染料)

塩基性染料は芳香族塩基と酸から生成される塩です。

塩というのは酸由来の陰イオン(陰イオン=アニオン)と

塩基由来の陽イオン(陽イオン=カチオン)とが

イオン結合した化合物のことです。

塩基性染料は水に溶解すると

色素カチオンと酸アニオンに分解されるので

カチオン染料とも言われています。

酸性染料とは逆で、塩基性条件下では

毛髪はマイナスイオンを帯びており、

塩基性染料のプラスイオンとイオン結合して染毛されます。

酸性染料と塩基性染料はpHが真逆なので一緒に使うことはできません。

また酸性染料同様、分子量が大きいので、

コルテックスの奥まで浸透することはできません。

2.3 HC染料

HC染料は全く化学反応が関係しない染料です。

比較的、小さな分子量の染料で、コルッテクスに拡散し、

分子間力で毛髪にとどまります。

ダメージは極めて少ないですが、

分子間力はとても弱いので、

1~2週間程度で色は落ちてしまします。

ちなみに、化学結合の強さは一般的に

共有結合(配位結合)> イオン結合 > 金属結合 >> 分子間力

です。

3. 半永久染毛料についてまとめ

永久染毛剤に比べ、安全で毛髪へのダメージも少ない半永久染毛料ですが、

その分持ちが悪いというのが実情です。

塩基性染料やHC染料は2001年から使用できるようになった、

比較的新しい染毛料です。

今後もっといろいろな染毛料がでてくるのが楽しみですね!

ではまた次回!

 

Emil3さんによる写真ACからの写真