今回は先日使用したヘアワックスの成分についてのお話をしたいと思います。
*その前に…
化粧品の製造や輸入販売については政府による規制緩和が進んでいます。
平成13年以前は、例えば、何百という色調の口紅について、
色素の配合量が少し変わるだけでも
逐一、審査が行われていたようです。
厚生労働省は過去に「化粧品に使用されている実績のある成分だけを含む化粧品」
については許可を緩和することとし
代わりに原則として、化粧品に配合されているすべての成分を表示することが
義務付けられています。
なぜワックスの話かというと、
先日使用したワックスが原因で
首回りが赤く、痒くなり大変な思いをしました。
そのワックスに入っていた成分について
全部調べてみて、怪しいものを3つピックアップしてみました。
あくまで私に合わなかった商品の成分というだけですが
興味がある方は読んでいただけたら幸いです。
ちなみに私自身、肌は弱くも強くもなく普通です。
1. エチルヘキサン酸セチル
エチルヘキサン酸セチルは一般に安全な物質と言われています。
エモリエント作用があり、感触改良のために配合されています。
しかしながら、その安全だという理由が、以下になります。
皮膚刺激性について
試験データをみるかぎり、ヒト試験およびヒト皮膚に近いミニブタにおいて未希釈で軽度の皮膚刺激性が報告されていることから、皮膚刺激性は非刺激-軽度の皮膚刺激が起こる可能性があると考えられます。
ただし、試験は未希釈(100%濃度)のみで実施されており、市販化粧品はリーブオン製品で約50%濃度以下、リンスオフ製品で約75%濃度以下で長年汎用されていることから、化粧品配合範囲内において臨床的に重要な皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。
皮膚感作性(アレルギー性)について
医薬部外品原料規格2006に収載されており、10年以上の使用実績がある中で皮膚感作の報告がほとんどないことから、化粧品配合量および通常使用下において、一般的に皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。
うーん…なんか弱くないですか??
でも実は、私たちが日頃、使用している化粧品には、
このような理由から安全だとされ使われているものがたくさんあります。
2. TEA トリエタノールアミン
トリエタノールアミンは増粘剤として配合されています。
こちらの安全性については以下の通りです。
皮膚刺激性について
試験データをみるかぎり、濃度と皮膚刺激の相関関係が読み取れず、また皮膚刺激の報告および解釈も一貫性に欠けているため、化粧品配合量において皮膚刺激性はほとんどなし-一過性のわずかな刺激が起こる可能性があると考えられます。
– 擦過した皮膚を有する場合 –
試験データをみるかぎり、物理的に傷をつけた皮膚において10%濃度で顕著な刺激性、5%濃度でわずかな刺激性が報告されているため、皮膚炎などを有する場合、濃度依存的に皮膚刺激が増す可能性が高いと考えられます。
皮膚感作性(アレルギー性)について
試験データをみるかぎり、共通して皮膚感作性なしと報告されているため、皮膚感作性はほとんどないと考えられます。
– 皮膚炎を有する場合 –
試験データをみるかぎり、皮膚感作性が複数報告されているため、皮膚炎を有する場合、皮膚感作を誘発する可能性があると考えられます。
3. ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(べヘニル/イソステアリル/フィトステリル)
ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(べヘニル/イソステアリル/フィトステリル)は
エモリエント作用があり、感触改良、ツヤ向上効果が認められています。
こちらの安全性については以下の通りです。
皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)について
化粧品配合量および通常使用下において、10年以上の使用実績があり、皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないことから、一般的に皮膚刺激および皮膚感作性(アレルギー性)はほとんどないと考えられますが、詳細な安全性試験データがみあたらず、データ不足のため詳細は不明です。
こちらもなかなか不安になる理由でした。
まとめ
化粧品に対するお肌の反応は、人によっても、またその日の体調によっても
全く異なってきます。
偶然、合わなかったワックスの成分を調べただけでも、
原因になりそうな物質が思ったより入っていました。
(もしかしたら、これら以外の可能性もゼロではないのだけど)
化粧品に使用されているものは、
もちろん安全なものが大半だとは思いますが、
10年以上の使用実績があり、
皮膚刺激および皮膚感作の報告がみあたらないというだけで、
安全だと判断され、使用されているものもたくさんあることを
知っておいてください。