先日サンカクヤに立ち寄ったところ、
かなりの人でごった返していました。
みんな今までより家の中で過ごす時間が増えたので、
これを機に、裁縫を始める人も少なくないのかもしれません。
もちろん、手作り布マスクが簡単に作れるキットなども売ってありました。
そして、その横に気になる商品が。
それが次亜塩素酸水。
店内には、マスクの除菌にも!とポップが出されてありました。
マスクや除菌グッツなど、私の住んでいるところでは、
だいぶ手に入りやすくなってきましたが、
売ってあるのをみると、いまだに「買っといたほうがいいかな」と
一瞬考えてしまいます。
まだ、このお店にいた時点では、「次亜塩素酸水ってなに?」
って状態だったので、家に帰っていろいろ調べてみました。
次亜塩素酸水とは
厚生労働省が提示している資料によりますと、
本品は殺菌料の一種であり、塩酸又は食塩水を電解することにより得られる次亜塩素酸を主成分とする水溶液。わが国では平成14年6月に食品添加物として指定されており、 使用基準及び成分規格が定められている。
とのことで、法律上は食品の殺菌料という位置付けのようです。
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム
ここで、間違えやすいので、次亜塩素酸ナトリウムについても少しお話します。
次亜塩素酸ナトリウムはハイターなどの名前でよく知られいるかと思いますが、
昔から漂白、防臭、防腐用に使用されてきた消毒液です。
美容師法施行規則に則って、美容室でも器具等の消毒に使われています。
次亜塩素酸水も次亜塩素酸ナトリウムも消毒の有効成分である
塩素(Cl2)、次亜塩素酸(HOCl)、次亜塩素酸イオン(ClO-)が入っています。
それじゃあ、同じじゃないのかと思ってしまいそうですが、
どうやらそんな簡単な話ではないようです。
次亜塩素酸ナトリウムは塩素と水酸化ナトリウムを
反応させて作られており、アルカリ性で、
次亜塩素酸水は塩酸又は食塩水を電解して作られており、酸性です。
次亜塩素酸(HOCl)の存在比率のは、pHによって変わります。
酸性では高く、アルカリ性では次亜塩素酸(HOCl)が
次亜塩素酸イオン(OCl-)に変換されてしまいます。
そして、次亜塩素酸(HOCl)の殺菌力は次亜塩素酸イオンより
約80倍高いといわれています。
したがって、低濃度でも、次亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウムよりも高い
殺菌活性があると言えます。
次亜塩素酸水は基本、弱酸性(強酸性のものもありますが)ですので、
次亜塩素酸ナトリウムのように
手について、ヌルヌルしたり、手が荒れたりということもありません。
ただ、一つだけ問題点が!
次亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウムに比べ、非常に不安定で、
すぐに分解されてしまいます。
また、有機物(汚れなど)があるとその有機物とすぐ反応してしまうので
殺菌力を失ってしまうという特徴もあります。
次亜塩素酸水は新型コロナウイルスに効く?
政府によりますと(4月10日)、次亜塩素酸水は
「現時点においては、手指の消毒に活用することについての有効性が確認されていない」
とのことです。
しかしながら、ノロウイルスやインフルエンザウイルスには殺菌の効果が
すでに立証されており、もう少しすれば、
新型コロナウイルスに対しての有効性も立証されるのではないかと思っています。
次亜塩素酸水を購入の上での注意点
①次亜塩素酸水は有効塩素濃度が重要!
次亜塩素酸水には強酸性(pH=2.7以下)次亜塩素酸水と
弱酸性(pH2.7~5.0)次亜塩素酸水、
微酸性(pH=5.0~6.5)次亜塩素酸水があります。
それぞれ有効塩素濃度範囲は
強酸性次亜塩素酸水:20~60ppm
弱酸性次亜塩素酸水:10~60ppm
微酸性次亜塩素酸水:10~30ppm(10~80ppmに変更されている??またはされる予定?)となっております。
きちんとここを確認して購入しないとただの水を手に入れることになります。
②次亜塩素酸水の製造日を確認!
次亜塩素酸水は非常に不安定な液体なので、
放っておくと、有効塩素濃度が低くなってしまいます。
めっちゃ古いやつだと、それはもう水かもしれません…
是非、製造日を確認してご購入ください。
③次亜塩素酸水は保存方法が大事!
直射日光に当てると、次亜塩素酸水の分解はさらに進み、
有効塩素濃度は瞬く間に下がってしまいます。
直射日光はさけ、できれば冷蔵庫の中で保存がベターです。
④次亜塩素酸水は汚れた手や物には効果がない??
次亜塩素酸水は濃度が低いため有機物が存在すると容易に活性が低下します。
これをカバーするには、流水で使用することが肝心です。
とのことですが、流水は結構ハードル高いですよね。
できるだけ汚れを落とした状態で使うことで、効果はあがります。
次亜塩素酸水についてまとめ
正直、なんか怪しい商品でてきたー!
って思ってましたが、ちゃんとしてました笑
しかも私が知らなかっただけで、結構前から話題になっていたんですね。
ちなみに、私がサンカクヤで見た商品には
製造日や有効塩素濃度の記載がありませんでした。
これはちょっと残念ですね。
普段使うには、そんなに高い濃度を使う必要はないかと思いますが、
高い濃度のものを買っておけば用途に応じて使用できるのでオススメです。
ただそのまま使用するのはちょっと怖いので、
それぞれの有効塩素濃度に必ず薄めて使ってください。
エタノールなどの手指消毒アイテムが手に入らないときは、
試してみる価値はありますね!