この記事では毛髪に関することを考える上で必要になる毛髪の特徴について説明します。
1.毛髪の成分
毛髪の大部分はタンパク質からできています。
一口にタンパク質といっても、タンパク質にはたくさんの種類が存在します。
タンパク質は20種類存在するアミノ酸が鎖状に多数連結してできた高分子化合物で、
構成するアミノ酸の数や種類、結合の順番によって、名称も特性も異なります。
毛髪は主にケラチンと呼ばれるタンパク質からできています。
ケラチンの特徴として、ジスルフィド結合(-S-S- シスチン結合ともいう)を
多くもっていることがあげられます。
ジスルフィド結合とは硫黄同士の結合で、
髪が燃えて臭いのは硫黄を含んでいるからです。
図1のように、毛髪は縦方向に並び、隣り合った二本のポリペプチド鎖の間に
シスチン結合による共有結合性架橋を形成することによってつながっています。
(他にもイオン結合、水素結合でもつながっている)
このような共有結合性架橋は、ケラチン構造の残基の約10%を構成し、
繊維の高い物理的・科学的安定性を確かなものにしています①1)。
(残基とはタンパク質分子上で、
そのタンパク質を構成しているアミノ酸の一単位にあたる部分)
図1 毛髪の組織結合②1)
*塩結合=イオン結合 シスチン結合=ジスルフィド結合
2.毛髪ができるまで
まず毛髪の周辺の名称を図2に示します。
図2 毛髪周辺の名称③
図2にあるように毛球の毛乳頭に接する毛母という場所で
細胞の分裂増殖が盛んに行われ、毛の細胞が作られます。
また毛包には色素細胞(メラノサイト)という
メラニン色素を生成する細胞があります。
メラニン色素は主に黒色から黒褐色にかけての真性メラニンと
黄色から赤褐色にかけての亜メラニンの二種類に大別されます。
ケラチンそのものは、ほぼ透明で無色であり、
毛髪に存在するメラニン顆粒の濃度と大きさこそが
あらゆる人毛で取り得る髪色のすべてを決めているのです①2)。
*さてここまでは私が学校で教わったり(2018年から2020年にかけて)、
本を読んで得た情報なのですが、
昨日エステの光脱毛の体験に行ってきて今までの私の中の常識を覆す内容の説明を受けました。
なんと体毛は毛母の部分ではなくバルジ領域から生まれているというのです。
これって本当なの??
だとしたら10年前に100万円かけて行った私の医療レーザー脱毛は何だったのか。。。涙
ネットで少し調べると私が医療レーザー脱毛する以前に
このバルジ領域ってところは発見されているなどの情報もあり、
完璧に私の勉強不足のようです。
またいつかの機会にバルジ領域については調べてみようと思います。
3.毛髪の形態
まず毛髪の簡単な構造図を図3に示します。
図3 毛髪の構造図
図3のように毛髪は外側からキューティクル(毛小皮)、コルテックス(毛皮質)、
メデュラ(毛随質)の三層構造です。
髪が細い場合はメデュラはない場合があります。
3.1 キューティクルについて
キューティクルの大きさはおよそ0.5μⅿで、
新生の人毛では最大で10枚の毛小皮鱗片が
ひとつの断面中に重なり合って存在しています①3)。
キューティクルは毛髪の大部分を形成するコルテックスを
力学的に保護する役目を担っています。
また、キューティクルとキューティクルの境界には細胞膜複合体(CMC)があり、
そこに脂質成分MEA(18-メチルエイコサン酸)が存在します。
これが毛髪のつやに関係してきます。
3.2 コルテックスについて
コルテックスは断面方向が数ミクロンで互いにしっかりと充填され
繊維方向には平行に並んだ細長いコルテックス細胞から構成されています①4)。
3.3 メデュラについて
比較的太いケラチン繊維には、
繊維軸に沿って連続的あるいは不連続的にメデュラが存在しています。
その役割は空洞です①5)。
以上が簡単ですが、毛髪の特徴についてでした。
参考文献
①デール・H・ジョンソン(山口真主訳)『ヘアケアサイエンス入門』(フレグランスジャーナル社 2011年)
1)p2
2)p8
3)p4
4)p6
5)P8
②日本パーマネントウェーブ液工業組合『SCIENCE of WAVE rivised edition』(新い美容出版株式会社 2014年)
1)p14
③公益社団法人日本理容美容教育センター『保険』(2018年) p79